海外の福島県人会で組織するワールド県人会は、海外での本県に関する情報発信の取り組みを強化する。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から来年3月で丸15年を迎えるが、海外では原発事故の誤った印象が固定化されるなど正確な情報の発信が課題となっている。海外に広がる県人会のネットワークを通じて本県の魅力や復興の現状を多言語で発信することで、本県に対する誤ったイメージの解消やインバウンド(訪日客)促進につなげたい考えだ。
8月にワールド県人会長に就任した荻生(おぎゅう)謙樹氏が17日、県庁で行った内堀雅雄知事との会談で明らかにした。早ければ12月にも開始する意向で、県によると、県が公式交流サイト(SNS)に投稿している観光やイベントの情報を県人会が翻訳し、県人会が持つSNSなどで発信することを想定している。言語は英語のほか、ポルトガル語やスペイン語などを予定。ワールド県人会には100年以上の歴史がある一方で日本語を知らない会員が多いブラジルやペルーなどの県人会があり、これら県人会関係者への情報発信を強めるほか、県人会以外にも広く本県の情報を伝える考えだ。
荻生氏は「(県人会の)会員でも福島に来たことがない人や日本語が話せない、読めない人がいる。福島につながりがなくても日本に来た時に、福島に2、3泊したくなるような情報を流したい」と意欲を語った。
海外では本県の正確な情報を届けること自体が難しい国も多く、県も正確な情報発信などに力を入れている。内堀知事は「風評払拭、風化防止、正確な情報発信が重要。われわれがポジティブな未来に向かっていることを示すことが大切」とし、県人会の情報発信を「来年は福島県が誕生して150年、震災、原発事故から15年という大事な年で弾みがつく」と歓迎した。
ワールド県人会は本県の復興支援を目的に2013年に結成され、本県の情報発信に取り組んでいる。荻生氏は前会長の満山喜郎氏の死去を受け、会長に就任した。県によると、海外には24カ国に36県人会がある。
