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県が積算システムでミス、入札87件やり直しへ 10月の基準改定反映されず

2025/11/29 08:30

積算ミスについて説明する芳賀次長(中央)ら

 県は28日、県と県内市町村が実施した公共土木工事の入札を巡り、最低制限価格などの積算誤りが241件あったと発表した。このうち87件は入札結果に影響があり、入札をやり直す必要がある。県が毎年10月に行う積算基準改定の際、積算システムに新基準が反映されていなかったことが原因としている。

 県によると、県は2015年度から、公共工事費用の算出に富士通ジャパンが開発した積算システムを利用。積算基準改定に合わせたシステム改修も同社に委託している。システムはいわき市を除く58市町村が使用している。

 今月17日に企業から県に提出された見積書が最低制限価格を下回っていたため、原因を調べた結果、労務費や材料費など一部の工事単価に10月の基準改定が反映されておらず、設計金額や最低制限価格の設定が誤っていることが判明した。なぜ反映されていなかったのかは、分かっていないという。県は同社に改めてシステム改修を指示した。

 システム改修が21日に完了し、正しい単価で積算し直したところ、県、市町村合わせて241件でミスが見つかった。内訳は県が45件、市町村が196件。県分はこのうち1件が契約解除になり、15件は入札を中止した。残る29件は入札結果に影響がなかった。市町村分は契約解除が5件、入札中止が66件に上った。影響は調査中だが、県はいずれの入札も公告期間が短いことから、大規模な工事は含まれていないとみている。

 県土木部の芳賀英幸次長は県庁で記者会見し、契約解除と入札中止が計87件に上ることについて「早期に入札の手続きを進め、着工できるよう対応していく」と述べた。その上で、企業との契約解除手続きを含めた各市町村の今後の対応を支援していく考えを示した。

 戸惑う自治体、対応に奔走

 自治体からは、戸惑いや不安の声が上がった。

 郡山市では設計金額や最低制限価格に、計40件の誤りが判明。契約済みの河川維持工事と側溝工事の2件は落札順位が入れ替わるため、事業者に謝罪した上で契約解除を通知した。担当者は入札参加事業者に迷惑をかけ申し訳ないとした上で「影響が最小限となるよう、本年度内に早期に再入札を行いたい」と話した。

 伊達市は県からの連絡を受け、市ウェブサイトに掲載していた市道の側溝工事の入札公告を取りやめ、入札希望の事業者に事情を電話で説明。適正な入札公告を再提示した。福島市、会津若松市、須賀川市、本宮市などでも誤りが見つかった。5件の入札が中止となった南相馬市は工事内容の確認を進め、再入札を行うとしている。

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