核脅威の現実直視、廃絶を訴え 長崎原爆79年で平和祈念式典

08/09 13:25

 原爆投下から79年となり、長崎市の平和公園で営まれた「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」=9日午前(代表撮影)

 長崎は9日、米国による原爆投下から79年となり、爆心地の長崎市松山町にある平和公園で「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれた。鈴木史朗市長は平和宣言で、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢に触れ「核兵器は使ってはいけない」という人道上の規範が揺らいでいると危機感を示し、核保有国などに「脅威が一段と高まっている現実を直視し、核廃絶に向けかじを切るべきだ」と訴えた。日本政府には、被爆者と認められていない「被爆体験者」の救済を求めた。

 長崎市は、パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラエルについて、不測の事態発生のリスクを懸念し、招待しなかった。米英などが批判し、市によると、先進7カ国(G7)のうち日本を除く6カ国と欧州連合(EU)は大使が欠席、それぞれ公使らが出席した。平和を祈る式典で国際社会の分断が露呈した形だ。

 原爆がさく裂した午前11時2分には、参列者が黙とう。鈴木市長は平和宣言で、核兵器禁止条約に署名・批准するよう日本政府に呼びかけた。

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