JR各社が、乗客を乗せた新幹線で荷物も運ぶ「貨客混載」サービスを拡大させることが19日分かった。今年4月にJR東海が参入して北海道から九州までつながったことを追い風に、鮮度が高い特産品や精密機器を迅速に定時で運べる強みを生かす。各社は新型コロナウイルス禍で打撃を受けた旅客輸送だけに頼らない経営を目指し、収益源の開拓に力を入れる。
地域経済の活性化や消費者の利便性向上のほか、トラック運転手の人手不足で物流が滞る「2024年問題」の将来的な改善につながりそうだ。ただ貨客混載は荷物の量が限られ、駅での積み降ろしの手間も大きく、運用上の解決が求められる。
新幹線を運行するJR北海道、東日本、東海、西日本、九州5社と、特急列車を活用した実証実験などを行っているJR四国に取材した。
JR東がJR北海道と連携して21年に始めた貨客混載サービス「はこビュン」は現在、1編成で1度に段ボールや発泡スチロール40箱程度まで運べる。便数を拡大しながら、今夏には客室2両を使って300箱程度を運ぶ実証実験を実施。