国際大会では各国の選手やスタッフから「ピンク・ミカ」と声がかかる。28日に開幕するパリ・パラリンピックで射撃に出場する水田光夏(26)は大好きなピンクで染めた髪やネイルがトレードマークだ。地味な印象のあるパラ射撃の知名度を高めようとSNSで積極的に発信。「客寄せパンダになれたらいい」と笑い、パリ大会では3年前に果たせなかった決勝進出を目指す。
進行性の難病「シャルコー・マリー・トゥース病」の影響で、引き金を引く指先に感覚がない水田。練習ではひたすら動作を繰り返して体に覚え込ませる。1発1発のずれを最小限に押さえられるかが、勝敗を分ける。
10分の1ミリ単位での調整に神経を傾ける中、「視界に入る手元の爪に好きな絵柄があると気分いい」。国際大会前には、長い髪を染め、ピンクや黒、シルバーを使ったネイルアートを施して試合モードに切り替えるのが、水田の「儀式」だ。
パリ大会には、韓国の人気音楽グループBTSのメンバーによるウサギのキャラクターや、パラのシンボル「スリーアギトス」をあしらったネイルで臨む。