【パリ共同】政情不安のアフガニスタンを脱出し、2021年の東京パラリンピックに出場したテコンドー女子のザキア・フダダディ(25)が28日開幕のパリ大会に難民選手団の一員として参加する。東京では勝利を挙げられなかったが、今回の目標は金メダルだと明言。母国だけでなく、世界に「女性の強さ」を見せると意気込む。
アフガン西部ヘラート出身で、生まれつき左腕に障害がある。資金不足などで東京大会の出場権を争う試合に出られず、国際パラリンピック委員会(IPC)の推薦で出場が決まった。
しかし大会直前の21年8月、アフガンで女性を抑圧するイスラム主義組織タリバンが復権し、出場を絶望視された。ビデオメッセージを公表して窮状を命懸けでアピール。フランスなどの支援で来日することができた。
大会後、フランスに保護を求め「ゼロからスタートした」。家族を呼び寄せ、難民認定を受けた。
母国ではタリバンによる女性抑圧が続く。「アフガンで障害のある少女の多くは結婚を強制される。女性でも何かを望めば手に入れられることを示したい」。