【ドーハ共同】パレスチナ自治区ガザの停戦交渉で、イスラエルとイスラム組織ハマスの仲介役を務めるカタール外務省のアンサーリ報道官は1日、親イラン民兵組織ヒズボラ掃討を掲げイスラエル軍が開始したレバノン南部への地上侵攻を強く非難し、中東全体の緊迫化により「ガザの停戦交渉は非常に困難になった」と強調した。首都ドーハで共同通信の単独会見に応じた。
アンサーリ氏は「紛争拡大という懸念していた事態が現実になった」と危機感を表明。レバノン情勢の沈静化を目指し、米国などと協力し全当事者との対話を続けていると説明した。カタールはヒズボラの後ろ盾、イランと良好な関係を保っている。
昨年10月のガザ戦闘開始直後からロケット弾などでイスラエルを攻撃するヒズボラは攻撃停止条件として「ガザ戦闘の終結」を掲げている。だが、アンサーリ氏は「レバノンでの民間人被害の拡大で状況は複雑になった」と指摘。「ガザの停戦が実現しても、中東全体の緊張緩和に結び付くかどうかは不透明だ」と懸念を示した。