日産自動車が、物言う株主対策として「村上ファンドの天敵」とも評される西村あさひ法律事務所の太田洋弁護士を起用したことが21日、分かった。旧村上系のファンドが9月末時点で日産株2・5%を保有したことが判明しており、日産は対策に本腰を入れる狙いがあるとみられる。
太田氏は、敵対的買収や物言う株主への対応に強みを持つ著名弁護士だ。村上世彰氏が関わる投資会社が石油元売り大手コスモエネルギーホールディングス(HD)の株式を買い集めていることが2022年に表面化。太田氏はコスモ側を支援したことなどで知られる。
日産が11日に提出した半期報告書で、2・5%の株式保有が判明したのは「サンテラ(ケイマン)リミテッド アズ トラスティ オブ イーシーエム マスター ファンド」。旧村上ファンド系のエフィッシモ・キャピタル・マネージメントと関係があり、経営が悪化した日産に対する今後の出方に注目が集まる。
日産の広報担当者は「コメントを控える」とした。