日本学術会議の在り方を議論している内閣府の有識者懇談会が29日開かれ、作業部会が組織見直しの見解案を示した。「国の特別機関」から新たな法人への移行に際し、政府は会員選考に関与しない一方で財政支援し、学術会議には国民に活動を説明する仕組みを担保するなどとした。政府は、懇談会が年内にもまとめるとみられる報告書を踏まえ、組織形態などの法制化手続きを進める。
「選考助言委員会」を新設し、会員選考時に外部有識者の意見を聞くとの政府方針について、見解案は「独立性などで問題が生じることは考えにくい」と容認した。学術会議側は助言委新設に反発しており、懇談会は議論を続ける。
新たな学術会議の基本理念を、学術の進歩への寄与や社会課題の解決を通じ、国民と人類の福祉、社会の発展に貢献することとした。科学者を代表する地位や政府に学術的助言をする権限は法で認める。会員選考には投票も組み合わせるほか、定員を現在の210人から250~300人へ増やす考えも示した。