旧安倍派の裏金、解明は道半ば 野党、参院選を見据え追及

11/30 16:08

 記者会見で謝罪し頭を下げる安倍派の塩谷立座長(左)と高木毅元国対委員長=1月、東京・永田町の自民党本部(肩書は当時)

 自民党旧安倍派で政治資金パーティー収入の還流疑惑が発覚してから1日で1年。事件は派閥解散や政治資金規正法改正、首相交代、衆院選での与党過半数割れと国政に大きな影響を及ぼした。石破茂首相は党の調査や検察の捜査で「事実関係の整理が一定程度進んだ」と主張するものの、派閥ぐるみで裏金づくりを続けた実態の解明は道半ば。野党は来年の参院選を見据えて追及を続ける構えだ。自民は「けじめ」の付け方に苦慮する。

 自民は2月、弁護士を交え、収支報告書への不記載があった議員ら約90人に聞き取り調査を行った。還流が始まった経緯について「遅くとも十数年前から行われていた」と推定したが特定できなかった。裏金は懇親や車両購入、書籍代などに使われていた。

 党内外で説明責任を問う声が高まり、2~3月には旧安倍派幹部らが衆参両院の政治倫理審査会で弁明。ただ異口同音に誰がいつ裏金づくりを始めたのか「知らぬ存ぜぬ」を繰り返した。

 立憲民主党の野田佳彦代表は「実態が解明できていない」と語り、委員長ポストを得た衆院予算委員会での証人喚問も辞さない。

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