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漢字の世界10
【２００６．１．２６】


行雲流水（こううんりゅうすい）自由に、心のままに生きる

空を行く雲、流れる水、そのように、物に捉（とら）われず心のままに生きる。あるいは、自由に気ままに振る舞う。　もとは、宋（そう）の蘇東坡（そとうば）（名は軾（しょく））１１世紀の人）の語に、「文を作るは行雲流水の如（ごと）し」とあって、文章の作り方を言うものだが、その大元（おおもと）がある。　　行到水窮処　　坐看雲起時　行きて到る水の窮（きわ）まる　処（ところ）坐（ざ）して看る雲の起こる時。　唐の王維（おうい）（八世紀の人）の、気ままな山荘の暮らしを詠（うた）う句である。　「行雲流水」の語から、「雲水（うんすい）」という語ができた。これは、行雲流水のように行方（ゆくえ）定めず、どこへでも遍歴して修行（しゅぎょう）する禅僧（ぜんそう）を指していうが、単に自由気ままな旅にも用いるようになった。
全国漢文教育学会長石川　忠久

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