minyu-net

連載 ホーム 県内ニュース スポーツ 社説 イベント 観光 グルメ 健康・医療 購読申込  
 
四字熟語TOP
漢字の世界30

 

四字熟語
【2006.2.20】
先憂後楽(せんゆうこうらく)

民より先に憂い後に楽しむ

 宋の范仲奄(はんちゅうえん)の名文「岳陽楼記(がくようろうのき)」から出た言葉。政治家の心構えを説いた。

 天下之憂而

 天下之楽而

(天下の憂(うれい)に先(さき)んじて憂い、天下の楽(たのしみ)に後(おく)れて楽しむ)

 民衆が心配するより先に心配し、民衆が楽しんだ後に楽しむ、ということ。

 これは政治をとる者にとっての永遠の命題といってよいだろう。とかく、民衆が心配してからやっと心配し、民衆が楽しむ前に楽しむのが世の常だ。その不心得(ふこころえ)を突いたもの。

 范仲奄(989―1052)は宋の初め、副宰相にまで昇った人。

 東京にある「後楽園(こうらくえん)」は、水戸光圀(みとみつくに)の師、明(みん)の学者朱舜水(しゅしゅんすい)が、范仲奄の文から取って名づけた。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

福島民友新聞社
〒960-8648 福島県福島市柳町4の29
ネットワーク上の著作権(日本新聞協会)
国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN