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漢字の世界33

 

四字熟語
【2006.2.23】
雪案蛍窓(せつあんけいそう)

悪条件に負けず勉学に励む

 勉学に励むこと。蛍(ほたる)の光、窓の雪である。「蛍雪之功(けいせつのこう)」ともいう。

 東晋(しん)のころ(4世紀)、車胤(しゃいん)は貧しくて油が買えないので、夏、蛍を集めて袋に入れ、その明かりで書物を照らした。また、孫康(そんこう)は冬の日、窓べに雪を積んで明るくして、書物を読んだ。(『蒙求(もうぎゅう)』)

 歌にもなっている有名な話だが、電気の生活の今日(こんにち)では、分かりにくいかもしれない。昔は、金持ちは蝋燭(ろうそく)で、貧しい人は菜種(なたね)油を使って火を灯(とも)した。

 江戸の川柳(せんりゅう)に、「注を読む時 蛍はゆすぶられ」とある。注の字は小さいから、光を強くするため蛍がゆすぶられる、と詠(うた)ったもの。

 この話は、勉強の条件が悪い方が、かえって頑張ることを教えている。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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