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漢字の世界34

 

四字熟語
【2006.2.24】
晴耕雨読(せいこううどく)

悠々自適の暮らし

 晴れの日は畑へ出て耕し、雨の日は家で本を読む。悠々自適の暮らしをいう。

 元首相の細川護熙さんが政界から離れ、「晴耕雨読」の毎日を送っている、という記事が新聞に出ていた。

 この語は日ごろよく使われるが、特に出典はない。似た言葉として、韓愈(かんゆ)の詩に「朝に出(いで)て耕し、夜帰りて古人の書を読む」という「読」はある。ただこれは「自適」ではなく、よく勤める意味だ。

 内容から見れば、あの陶淵明(とうえんめい)の詩に詠(うた)う、

「既(すで)に耕し亦(ま)た己(すで)に種(う)え

時にまた我が書を読む

微雨東より来たり
好風之(これ)と倶(とも)なう」

(畑を耕したり本を読んだり、外は小雨やいい風が吹く)が源になるだろう。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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