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漢字の世界41

 

四字熟語
【2006.03.04】
漁夫之利(ぎょふのり)

二者が争い、第三者が利益

 二者が争っている間に、第三者が利益を独り占めにすること。

 『戦国策(せんごくさく)』の物語に基づき、「漁父」は「漁夫」とも書く。漁師のこと。

 蚌(ぼう)(どぶ貝)が口をあけて日向(ひなた)ぼっこをしていると、鷸(いつ)(しぎ)が来て身を突ついた。貝は口を閉じ、しぎの嘴(くちばし)を挟む。互いに相手が死ぬまで離さない、と頑張っていると、通りかかった漁師が2つとも捕まえてしまった、と。

 この話はもとは、中国の戦国時代、弱小の二国が争うと背後に強大国が狙う。だから、争いをやめよ、というたとえに用いられたが、後世は、漁師が何もしないで利益を独り占めにした方へ重点が移り、わが国の”濡(ぬ)れ手に粟(あわ)”の諺(ことわざ)に近い意味に用いられる。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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