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漢字の世界84

 

四字熟語
【2006.04.25】
土階三等(どかいさんとう)

宮殿が質素であること

 土の階段が三段しかない宮殿。宮殿が質素であることをいう。

 堯(ぎょう)帝は、天下を治めることに心をくだき、自分の住む宮殿は非常に質素であった。『十八史略』(元(げん)の曽先之(そうせんし)の撰、太古から宋末までの史実を簡略に述べた書)によると、

 「平陽(へいよう)(山西省の地)に都(みやこ)す、茅茨剪(ぼうしき)らず、土階三等のみ」とあり、宮殿の屋根も茅(かや)ぶきで、切りそろえていなかったという。

 晩唐の詩人汪遵(おうしゅん)は詩『長城』で、「焉(いずく)んぞ知らん万里連雲(れんうん)の勢(いきおい)、及ばず堯階三尺の高きに」と詠(うた)う。

 秦の始皇帝は万里の長城を築いて敵を防ごうとしたが、たちまち亡(ほろ)びてしまった。それに較べ、堯帝は極めて質素な宮殿で立派に世を治めたではないか、と。 

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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