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漢字の世界87

 

四字熟語
【2006.04.28】
荒唐無稽(こうとうむけい)

根拠のないでたらめな話

 拠(よ)り所(どころ)のないでたらめな話。とりとめのないこと。

 「荒唐不(ふ)稽」ともいう。「荒唐」は、コと音のそろう畳韻(じょういん)語。話に拠り所がない、でたらめなことをいう。

 「無稽」の稽は考と同じ。「稽(かんが)うる無(な)し」と読む。考えるべき拠り所がない、という意味で、結局、「荒唐」も「無稽」も同じことを連ねていったもの。

 蘇東坡(そとうば)の詩に、「自ら笑う平生口(へいぜいくち)の為(ため)に忙(いそが)しきを、老来事業転(ろうらいじぎょううた)た荒唐」という。口の為に忙しいとは、生活にあくせくすること。老いて仕事(事業)はいよいよとりとめなくなった(めちゃくちゃになった)と、流された身の上を自嘲(ちょう)した。この場合は、自分の生活にしっかりした拠り所がないさまを形容している。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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