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漢字の世界108

 

 

四字熟語
【2006.05.24】
山高水長(さんこうすいちょう)

優れた人格のたとえ

 「山高く水長し」と読む。人格の優れているたとえ。

 宋の文章家范仲淹(はんちゅうえん)の文に「雲山蒼(うんざんそう)々(雲のかかる山はあおあお)として、江水央(おう)々(川の流れは広(ひろ)々)たり。先生の風、山高く水長し」と、厳光(げんこう)(後漢の隠者)を賛(たた)えている。厳光は幼な友だちが皇帝(後漢の光武(こうぶ)帝)になったので、都へよばれたが、すぐに田舎へ帰り隠者の生涯を送った。世間の栄誉などには目もくれない高い人格を、このようにたとえた。

 似た言葉に「山遠水長(さんえんすいちょう)(山は遠く水は長し)」というのがある。これは唐の李遠(りえん)の詩の「山遠水長人(ひと)を愁殺(しゅうさつ)す(愁(うれ)いに沈ませる)」から出た。湘(しょう)江(洞庭(どうてい)湖に注ぐ川)の女神を祀(まつ)る廟(おみや)のあたりの気高い風景を詠じた。これが元(もと)だろう。 

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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