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漢字の世界111

 

 

四字熟語
【2006.05.27】
普天率土(ふてんそっと)

国中、全世界を意味する語

 空の蔽(おお)っている下、地の続く果て。すべての天地。全世界を意味する語。「率土」は「そっと」と読む。

 もとは『詩経』に出る語。原文は「溥(ふ)天の下(もと)、王土(おうど)に非(あら)ざる莫(な)く、率土の浜(ひん)、王臣(おおしん)に非ざる莫し」。

 この広く大きい天の下、広い地の果てまで、すべて王の土地であり、そこにいる人はすべて王の臣だ、という意味。

 「天」は「普天」と同じ。『孟子』などにも引用されているが、「普天」が一般的である。

 この詩の句から「普天率土」という、国中、全世界を意味する四字熟語ができた。これは、少々改まった場合などに用いられる。

 今週は月曜からきょうまで、月・火・水・木・金・土のつく熟語を選んだ。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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