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漢字の世界１１３
【２００６．０５．３０】


驚天動地（きょうてんどうち）世を大いに驚かす

大いに世を驚かすこと。　「天を驚かし地を動かす」と読む。「驚動天地（きょうどうてんち）（天地を驚動す）」というのを、互い違いにいうもの（互文（ごぶん））。　白楽天（はくらくてん）が李白の墓に詣（もう）でて作った詩の句から出た。―憐（あわれ）むべし荒龍窮泉（こうろうきゅうせん）の骨曽（ほねかつ）て驚天動地の文有り―（この荒れた墓の中の骨こそ、かつて世を大いに驚かせた文章の主（ぬし）なのだ）　白楽天（名は居易（きょい））が李白の墓を弔ったのは、李白の死後五十年あまりのことだった。李白の墓が荒れているのを見、生前の不遇の身に同情して、天地を驚かすほどの大詩人だったのに、と歎いたのだ。　白楽天は、李白の才能をたたえて言ったが、今は、ニューヨークの９・１１事件のような大事件を形容するのに用いることが多い。
全国漢文教育学会長石川　忠久

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