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漢字の世界124

 

 

四字熟語
【2006.06.12】
画蛇添足(がだてんそく)

しなくてもよいことをする

 えとの6番目は蛇(へび)(巳(し))。

 「蛇を画いて足を添う」と読む。ふつう2字で「蛇足(だそく)」という語の基づくもの。

 蛇の絵に足を描(か)き添える、転じて余計(よけい)なことをする、しなくてもよいことをする。『戦国策(せんごくさく)』(戦国時代の諸国の物語)に見える話。

 楚(そ)の国のお祭りで、係りの者に酒が振舞(ふるま)われた。その一人が「数人で飲むには足りないが、一人で飲むには十分だ。地面に蛇の絵を描いて早くできた者が一人で飲もう」と提案する。

 最初に描けた者が、酒を取り、余裕で足まで描いた。すると2番目に描けた者が「蛇には足はないぞ」と言い、酒を奪って飲んだと。

 足を描いたために蛇ではなくなった。余計なことをしなければよかった。「蛇足を加えて」しくじった話。 

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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