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漢字の世界127

 

 

四字熟語
【2006.06.15】
籠鳥檻猿(ろうちょうかんえん)

束縛され自由を奪われる

 9番目は猿(さる)(申(しん))。

 籠(かご)の中の鳥、檻(おり)の中の猿。そのように、束縛(そくばく)されて自由を奪われているさま。

 白楽天の親友元眞(げんじん)に寄せた手紙の中に出てくる語。お互い都を追われて地方へ左遷されている身を「籠鳥檻猿倶(とも)に未だ死せず、人間相(じんかんあ)ひ見るは是(こ)れ何(いず)れの年ぞ」(籠の鳥、檻の猿のように束縛されているが、お互いにまだ生きている。この世〈人間(じんかん)〉で会えるのはいつのことだろう)という。

 宮仕えの身を、このように歎(なげ)いているのだが、400年先輩の陶淵明(とうえんめい)の詩に「久しく樊籠(はんろう)(かご)の裏(うち)に在(あ)りしも、復(ま)た自然に返るを得たり」と、宮仕えの身を籠の鳥に喩え、それから解き放たれた喜びを詠うのを意識しているだろう。宮仕えはやはり自由がないのだ。 

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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