日本固有の精神と中国伝来の学問。日本の心を失わないで中国の学問を修める。菅原道眞(すがわらみちざね)の言葉といわれているもの。『菅家遺誡(かんけいかい)』に見える。
昔は学問といえば中国の古典(漢学(かんがく))を指したのであるから、十分な漢学の素養を身につけるのは当然のことだが、日本固有の精神(和魂)の自覚がなければならないというのだ。
江戸時代に国学が興るとこの語が再認識され、スローガンのように叫ばれた。
明治以降、西洋の学術がどっと流入してくると、今度は「和魂洋才」という語が生まれた。やまと心と西洋の学ということだ。
ちょうどそのころ、中国でも梁啓超(りょうけいちょう)らが「中体西用(ちゅうたいせいよう)」という語を唱えた。日本風(ふう)にいえば「漢魂洋才」だ。
|