川を背にして陣をしく。逃げれば水に溺(おぼ)れてしまうので、前へ進むしかない。そのように、決死の覚悟で戦う。退路を断つこと。
『史記』に見える韓信(かんしん)の戦法。韓信は趙(ちょう)(戦国七雄の一つ。河北・山西にあった大国)との戦争で、黄河を背に陣をしいた。それを見て趙軍は初め大いに笑った。当時の兵法では「山を背にし、水を前にする」のが有利としたのだ。
ところが、実際には逃げ場のない韓信の兵は、かえって必死になって戦ったのでついに趙にうち勝った。「軍を死地に置く」という戦法である。
このように、物事を必ず成功させようとする時、逃げ場のないような状態に自分を追いこむ。受験勉強などに応用のきく必勝法だ。
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