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漢字の世界298

 

【2007.1.8】
冠婚葬祭(かんこんそうさい)

祝儀と不祝儀の総称

 元服げんぷく(冠)と結婚と葬式と祖先の祭。一般に祝儀(慶けい)不祝儀(弔ちょう)の儀礼を総称したもの。

 『礼記らいき』に「冠婚喪そう祭、射御朝聘しゃぎょちょうへい」という言葉が見える。射御は、弓術と馬術。朝聘は、朝廷に貢ぎ物を献ささげること。いずれも古代の重要な儀礼であった。

 冠は、男の子が十五歳になって冠をかぶり元服すること。今なら成人式に当たる。婚は、婚礼。葬は、「喪」とも書く。葬式のこと。祭は、祖先の祭。またその他の祭事も含めて言う。

 冠と婚が「慶」、葬と祭が「弔」になるが、現在では日常の儀礼を総称して言う。漢字音ではイとカ行サ行がそろい調子がととのう。

 ただ近ごろでは儀礼は簡略化が進んでいるようだ。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

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