親の仕事を受け継ぐこと。
唐の李肇(りちょう)の『国史補』に見える語。多くの軍(兵)と馬、の意味で用いている。これは「千万軍馬」(千、万もの兵士と馬)を互い違いにした互文である。
一般には、「千軍万馬の古強者(ふるつわもの)」のように用い、何度も戦場へ出て戦ったような、いろいろな場面に経験豊富な人物を評して言う。
「海千山千(うみせんやません)」(海に千年、山に千年生きた蛇は竜になるという言い伝えから、世間の裏表を知り尽くした人を喩(たと)える)に近いが、こちらはやや品が落ちる。
海千山千が老獪(ろうかい)な感じなのに対し、千軍万馬は強者のイメージがある。競争社会に経験を積み、勝ち抜く者が「千軍万馬」の強者だ。
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