遠い国と交わりを結び、近い国を攻める。
『史記』に見える語。秦王に対して范雎(はんしょ)が進言した策略のこと。「王遠交して近攻するに如(し)かず、今此(これ)を舎(す)てて遠攻するは、亦繆(またあやまち)ならずや」(王様、遠くと交わって近くを攻めるがよろしゅうございます。今この方法を捨てて遠くを攻めるのは誤りです)とある。
遠い国を攻めれば費用もかかるし兵士も疲れる。近い国を攻め、遠い国とは同盟を結んで背後から牽制(けんせい)するのが得策だ、と王に進言したのである。
攻めるとか戦うとかを離れて、現代でも応用の広いやり方だ。たとえば、取引をする場合、相手と直(じか)に交渉する前に、直接利害関係のない方面と結び、側面から応援してもらうことなど。
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