心が落ち着かず浮ついている。軽くて薄っぺら。
梁りょうの昭明太子(しょうめいたいし)(6世紀)の文章に「遊逸(ゆういつ)軽佻」という語が見える。ふわふわと遊び回ること。「軽」も「佻」も「軽軽しい」の意。「佻」には「思慮が浅い、愚か」の意もある。
「浮薄」は、心が浮ついて移り気。かるはずみ。
要するに、前回の「温柔敦厚」の裏返しが「軽佻浮薄」なのである。「軽佻浮薄」を簡略化すれば「軽薄」(軽軽しく薄い)になる。その正反対の語は「重厚」(重重しく厚い)だ。
近ごろ「軽薄短小」という四字熟語を耳にするが、電気製品などできるだけ軽く薄く短く小さくという利便性を追求する評語らしい。
願わくは人間性は「重厚長大」を追求したいものだ。
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