一人ぼっちで助けがないこと。
四字の熟語としての典故はない。「孤立」は、『史記』に「子嬰しえい孤立して親しん無し」という用例が見える。
秦の始皇帝の孫に当たる子嬰は趙高ちょうこうによって皇帝の位(3世皇帝)に就けられたが、父(始皇帝の長子扶蘇ふそ)は自殺させられ、叔父の2世皇帝(扶蘇の弟)は項羽に殺され、孤立していたことを述べたもの。「親しん」は親おやを含めた近い親族をいう。
「無援」は、「援たすけ無し」と読む。文字通り援助してくれる者がないこと。
子嬰を殺して天下を取りかかった項羽も、韓信らの有能な部下に去られ、最後に漢軍に囲まれて「四し面めん楚そ歌か」(23回)を聞く破目はめとなる。この「四面楚歌」も「孤立無援」と同じ意味だ。
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