minyu-net

連載 ホーム 県内ニュース スポーツ 社説 イベント 観光 グルメ 健康・医療 購読申込  
 
四字熟語TOP
漢字の世界319

 

四字熟語
【2007.02.01】
孤立無援(こりつむえん)

一人ぼっちで助けがない

  一人ぼっちで助けがないこと。

 四字の熟語としての典故はない。「孤立」は、『史記』に「子嬰しえい孤立して親しん無し」という用例が見える。

 秦の始皇帝の孫に当たる子嬰は趙高ちょうこうによって皇帝の位(3世皇帝)に就けられたが、父(始皇帝の長子扶蘇ふそ)は自殺させられ、叔父の2世皇帝(扶蘇の弟)は項羽に殺され、孤立していたことを述べたもの。「親しん」は親おやを含めた近い親族をいう。

 「無援」は、「援たすけ無し」と読む。文字通り援助してくれる者がないこと。

 子嬰を殺して天下を取りかかった項羽も、韓信らの有能な部下に去られ、最後に漢軍に囲まれて「四し面めん楚そ歌か」(23回)を聞く破目はめとなる。この「四面楚歌」も「孤立無援」と同じ意味だ。


全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 

福島民友新聞社
〒960-8648 福島県福島市柳町4の29
ネットワーク上の著作権(日本新聞協会)
国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) 2001-2004 THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN