「撓(たゆ)まず屈せず」と読む。「不屈不撓」ともいう。
『漢書』に「楽昌(がくしょう)篤実、不撓不屈(くつ)」とあるのが古い用例だ。「楽昌」は、楽昌侯となった王商(おうしょう)のこと。王商はまじめで志を曲げなかった、と評したもの。
「撓」は、たわむ。木の枝などが押されて曲がる意。転じて、つかれたゆむ意となる。「屈」は、曲がって伸びないこと。
この言葉は「不撓不屈の精神」というように、精神や志の強いことを形容するのに用いることが多い。
どんな逆境に置かれても、不測の事故に遭っても志を曲げないでやり通す、野口英世博士のような人物こそ「不撓不屈の精神」の持ち主、と称(たた)えられよう。
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