物事をよく調べて本質に迫る。「物に格(いた)り知を致す」と読む(宋の朱熹(しゅき)の説)。
前回と同じく『大学』から出た語。格物・致知の2つと誠意・正心・修身・斉家・治国・平天下の6つを合わせて「大学の八条目」と称する。儒家思想の基本を成す標語。
「格物致知」は、漢代以来諸説があるが、わかりやすくいえば、「物の理(本質)を窮めて知識を積む」のが宋の朱熹、それに対して「物を格ただして知を致す」と読み、「いろいろな事(こと)(物)を正して、生まれつきの良知(りょうち)(知能)を発揮する」のが明の王陽明の考え方である。
「知」について言えば、朱熹は後天的に積み重ねていくもの、王陽明は生まれつき持っていて発揮していくもの、と考え方が違う。
|