事実に基づいて真理を求めること。
「事(こと)を実(みた)して(調べて)是(ぜ)(正しいこと―真実)を求む」と読む。
清朝時代、それまでの空疎な議論をしりぞけ、事実に基づいて真理を探究する学問が興った。その標語。
元(もと)は『漢書』に見える。河間献王(かかんけんのう)(景帝の王子)を「学を修め古(いにしえ)を好み、実事求是なり」と評している。
献王は学問好きで、民間から善い本を集め、持ち主に厚く金帛(きんぱく)(黄金と絹)を褒美に与えたので、千里の向こうから多くの本が献上されたという。
集めた文献に拠(よ)って学問を実証的に深める王の精神が、清朝の学者たちに継承されたのである。
「実事求是」の反対が「空理空論(くうりくうろん)」ということになる。
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