世を治め、人民を救う。「経国済民」ともいう。
「経」は、治める。「済」は、救う。「救済」という熟語もある。
「経世」は『荘子(そうじ)』に、「経国」は『荀子(じゅんし)』に見える語。魏の文帝(曹丕(そうひ))が「文章は経国の大業」(文学こそは国を経営するような大きな事業だ)と述べたことは、漢代まで文学が政治に従属していたのに対して、“文学の独立宣言”をしたと評されている。
「経世済民」を二字にした「経済」の語は、『抱朴子(ほうぼくし)』(晋の葛洪(かつこう)の道術書)や『文中子』にも見えるが、経世・経国と同じように、国を治め民を救う意だ。
今はもっぱら英語のエコノミーの訳語として用いられ、「経済家」というと倹約家の意味にもなっている。
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