一度口に出した言葉は取り返しがつかない。言葉を慎め、ということ。
読み下しで言う四字熟語。前回の「綸言汗の如し」に近い意味の語。
『論語』に基づく。ある家老が失言したとき、孔子の弟子の子貢(しこう)が言った言葉。「駟」は四頭立ての馬車。最も速い四頭立ての馬車で追いかけても、舌の速さには及ばない。あなたの失言は、いったん口から出たらもう取り返しがつきませんよ、とたしなめたのである。
これに関連して、「病は口より入り、禍(わざわい)は口より出いづ」(口から入る食物によって病気にかかり、口から出る言葉によって禍にかかる)という諺(ことわざ)もある。
わが国にも「口は禍のもと」や「悪事千里を走る」など類似の諺がある。
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