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漢字の世界344

 

【2007.3.3】
眼光紙背(がんこうしはい)

文章の深い意味を読み取る

 目の力が紙の裏まで通る。書いてある文章の深い意味を読み取ること。

 塩谷宕陰(しおのやとういん)が安井息軒(やすいそくけん)(幕末の儒者、宕陰と同僚)を評した文章に「書を読みて眼紙背に透(とおる)」とあるのが出どころ。この文から「眼光紙背に徹す(とおる)」という語ができた。

 紙の背(裏)まで眼(め)の光が通るとは、文章の表面だけでなく、その背後に含まれた深い意味をも理解するということである。よほどの読書力といわねばなるまい。古典の含蓄ある文章を読むには、このような読書力がものをいう。

 今日では、書かれた文章の裏の意味を見破るような場合にも言う。たとえば契約書を取り交わす時、隠された意図がないか「眼光紙背に徹し」て読み取るとか。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 



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