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漢字の世界351

 

【2007.3.13】
人面桃花(じんめんとうか)

以前の恋人に会えない

 美人の顔と桃の花が映り合っていること。以前の恋人に会えない喩(たとえ)に用いる。

 唐の崔護(さいご)の物語。清明の日(4月初め)、郊外へ遊びに出た崔護は桃の花咲く家で、娘に水を飲ませてもらう。二人はじっと見つめ合う。それから一年、その家を訪れると門が閉じている。崔護は詩を門に書きつける。

 去年の今日此(こ)の門の中
 人面桃花相い映じ紅なり
 人面祇今何処(ただいまいずこ)へか去る

 桃花旧に依(よ)り春風に笑(え)む(去年の今日、この門の中で美人と桃とが映(は)えていた。美人は今どこへ。桃だけが春風に咲いている)

 数日後、また行くと娘は詩を見て恋焦がれて死んだという。そこで崔護は娘の遺骸に大声で呼び掛け、娘は生き返る。昔の恋の物語。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 



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