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漢字の世界356

 

【2007.3.19】
同工異曲(どうこういきょく)

一見違うが同じ出来栄え

  音楽を演奏する技量は同じでも、曲の味わいが異なる。転じて、詩文を作る技巧は同じだが、作品の趣は違う。さらに転じて、一見異なっているようだが、同じような出来栄えをいう。

 韓愈の文章に出る。「下(しも)は荘騒(そうそう)、太史の録する所、子雲相如(しうんしょうじょ)の同工異曲なるに逮(およ)ぶ」(下は『荘子(そうじ)』『離騒(りそう)』〈屈原の作〉、司馬遷の記録した『史記』、揚雄(ようゆう)や司馬相如の文など、みな同じように巧みだが趣の異なったもの、まで)とある。

 それぞれが優れていて、違った味わいがある、という賛辞(ほめ言葉)である。

 今日では、反対に「異曲同工」(曲は違うが、趣は同じ)の意に用い、けなす言葉になっている。「展覧会の絵は、どれもみな同工異曲だ」というふうに。

全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 



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