古人の詩や文をもとにし、これに新しい趣向(しゅこう)を加えて作りかえること。「骨(ほね)を換(か)え胎(はらご)を奪(うば)う」と読む。
『冷斎夜話(れいさいやわ)』(宋の恵洪(えこう)の詩話集)に、詩人の黄山谷(こうさんこく)(各は庭堅(ていけん))の言ったことばとして「その意を易(か)えずしてその語を造る、これを換骨法という。その意を規範(きはん)(手本)としてこれを形容す、これを奪胎法という」と見える。
つまり、人の才能には限りがあるのだから、数多くの詩情を表現するには、このような方法を取るしかない、というのである。
小説の世界でも、芥川龍之介の作品は中国の小説を換骨奪胎したものが多い、などと評することがある。今日では、詩や文章ばかりでなく、いろいろな芸術・工芸分野にも用いられる。
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