夫婦仲が睦(むつ)まじく契(ちぎり)が固い喩(たと)え。「偕(とも)に老い穴(あな)を同じくす」と読む。年をとるまで仲よく暮らし、死んだら同じ墓に葬られること。「穴」は墓穴(はかあな)のこと。
『詩経』に見える語。「偕老」の方は「子(きみ)の手を執(と)りて、子と偕に老いん」の句から。「同穴」の方は「穀(い)きては則(すなわち)室(しつ)を異(こと)にするも(生きている時は別々の部屋にいても)、死しては則ち穴を同じくせん」の句から出たもの。
「偕老同穴の契り」ということで、よく結婚式の誓いのことばに用いられる。前に取り上げた「比翼連理(ひよくれんり)」(43回・3月7日)とも近い意味だが、「偕老同穴」は死んだあとも仲良くというのだからすごい。高齢化社会の今、あらためてかみしめたいことばだ。
|