いろいろな計りごとをめぐらせ人をあざむくこと。手段をつくしたたくらみ。
ふつう「権謀術数をめぐらす」のように用いる。権謀は、その場に応じた計りごと。術数は術策(じゅつさく)ともいう、たくらみ。
『説苑(ぜいえん)』に「権謀に正と邪あり。君子の権謀は正しく、小人の権謀は邪(よこしま)なり」とある。君子は徳の高い立派な人、小人はその反対にいやしい人。
これによると、正しい権謀というのもあるようだが、今はふつう「権謀術数の限りをつくす」というと、良い意味には用いない。わが国の「手練手管(てれんてくだ)」ということばに近い。
つまり、世の中には“小人”が多くのさばり、よこしまな手練手管が横行しているということだろう。
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