何度もころび倒れること。もとは世の中が非常に乱れる喩(たと)えであったが、転じて非常に苦しんで、のたうち回る喩えに用いる。
七と八は数の多いこと。転倒はひっくり返ること。「七八転倒」(七八と転倒す)を互い違いにいう互文(ごぶん)である。
『朱子語類(しゅしごるい)』(宋の朱熹(しゅき)の言葉の記録)に「商(しょう)(殷(いん))の季すえに当りて、七転八倒、上下崩頽(ほうたい)(くずれる)す」とあるのは、殷末の世の中が混乱し、総くずれになったことをいう。
日本の『聖徳太子絵伝記』には「七転八倒悶絶(もんぜつ)し」のように、苦しみもがくことをいう。今はもっぱらこちらの用例が多い。
「七転八起(しちてんはっき)」(七転び八起き)というと、人生の浮き沈みの激しさの意になる。
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