天の網(あみ)は大きく、目は粗(あら)いけれど決して悪人を逃さない。悪は必ず滅びることをいう。
『老子(ろうし)』に基づく語。原文は「天網恢恢、疎にして失わず」とある。「疎にして漏(も)らさず」ともいう。
「恢恢」は、大きく広いこと。天に張られた網が大きいとは、悪いことをしてどこへ逃げても逃げおおせないこと。「疎にして失わず」とは、網の目が粗くても捕まえて逃がさないこと。
つまり、人の眼(め)はごまかせても天の眼はごまかせず、どんなにずるく立ち回ろうとも、悪いことをする者は必ず滅びるのである。
近ごろも、法律をかいくぐって所得を偽ったり、強度計算をごまかしたり、”天網恢恢”、最後には捕まってしまう例に事欠かない。
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