「天馬空(くう)を行く」と読む。天馬が大空を自由に駆け廻(めぐ)る。そのように字を書いたり、文章を綴(つづ)ったりすること。また、自由豁達(かったつ)な人柄を喩(たと)えたりもする。
「天馬」は『三才図会(さんさいずえ)』(天・地・人〈三才〉に関する絵の図録)を見ると、西洋のペガサスのように翼が生えているが、もとは西の大宛(だいえん)国(フェルガーナ)から来た駿馬を指した。
この馬は骨格が優れ皮が薄く、汗をかくと血の色が透すけて見えることから「汗血馬(かんけつば)」と呼ばれた。
漢の武帝の時、中国へ来て珍重され、「天馬の歌」が作られた。中国産の馬に較(くら)べ、引き締まった姿で足が早い。千里の馬ともいう。
人物で喩えると、奔放(ほんぽう)に生き、縦横に才を揮ふるった詩仙李白(りはく)がぴったりだろう。
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