蘇東坡(そとうば)の「赤壁賦(せきへきのふ)」の続き。体に羽(はね)が生えて仙人となること。
「…飄々乎(ひょうひょうこ)として世を遺わすれて独立し、羽化して登仙するが如(ごと)し」(ふわふわと世の中を後にして立ち上り、羽が生えて仙人になったようである)。
「飄々」は、風を受けてふわふわ、ひらひらするさま。「独立」は今の用法とは違い、すっくと立つこと。
陰暦7月16日の明月の夜、東坡は友人と舟に乗り、広い長江の上を風を受けて滑るようにどこまでも行く。空には皓(こう)々たる初秋の満月、実に気持ちがよい。このまま仙人になった気分である。この文章から「羽化登仙」の語が生まれた。
実はここの赤壁は三国の古戦場ではなかったが、今は「文赤壁」と呼んでいる。
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