文と武との両方に優れていること。たとえば高校野球で、進学校でもあり甲子園にも出場するような高校を「文武両道に秀でている」といったりする。
知識や教養の面(文)と、体力や武道(スポーツ)の面(武)とを兼ね備え、人についてもいう。
由来は古く、『詩経』に、周(しゅう)の宣(せん)王のころ(前8世紀)の名将吉甫(きっぽ)を、「文武の吉甫、万邦憲(ばんぽうのり)と為(な)す」(文武両道に優れた吉甫は、国々の手本だ)と賛(たた)えている。
「赤壁賦(せきへきのふ)」では魏(ぎ)の曹操(そうそう)を「槊(ほこ)を横(よこ)たえて詩を賦(ふ)す、まことに一世(いっせい)の雄(ゆう)なり」という。「槊を横たえて詩を賦す」(横槊賦詩(おうさくふし))とは、武器を持ちながら詩を作るのも忘れないことで、「文武両道」と同じ意味に用いている。
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