互いに心の中を開いて親しく交(まじ)わること。
肝は肝臓(かんぞう)。胆は胆嚢(たんのう)。どちらも重要な働きをする、体の奥にある内臓。そのことから”まごころ”の喩(たと)えになる。
『史記』に「腹心を披(ひら)き、肝胆を輸(いた)す」という言葉が見える。これは相手に心の中を開き、まごころを傾けること。☆通かいとうという策士が韓信(かんしん)に秘策を進言する場面の記述だ。「心の奥底を打ち明け申し上げます」という意味である。
同じような表現に「肝胆を吐(は)く」というのがあり、唐の高適(こうせき)の詩に見える。
「肝胆相い照らす」と言えば、互いの心の奥底まで見せ合う意味となる。これ以上深い交わりはない。勝海舟と西郷隆盛はそういう間柄だったと言えるだろう。
(☆は冠に”くさかんむり”、”朋”、旁に”りっとう”で構成された文字)
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