minyu-net

 
 
四字熟語TOP
漢字の世界183

 

【2006.8.22】 
肝胆相照(かんたんあいてらす)

心を開いて親しく交わる

 互いに心の中を開いて親しく交(まじ)わること。

 肝は肝臓(かんぞう)。胆は胆嚢(たんのう)。どちらも重要な働きをする、体の奥にある内臓。そのことから”まごころ”の喩(たと)えになる。

 『史記』に「腹心を披(ひら)き、肝胆を輸(いた)す」という言葉が見える。これは相手に心の中を開き、まごころを傾けること。☆通かいとうという策士が韓信(かんしん)に秘策を進言する場面の記述だ。「心の奥底を打ち明け申し上げます」という意味である。

 同じような表現に「肝胆を吐(は)く」というのがあり、唐の高適(こうせき)の詩に見える。

 「肝胆相い照らす」と言えば、互いの心の奥底まで見せ合う意味となる。これ以上深い交わりはない。勝海舟と西郷隆盛はそういう間柄だったと言えるだろう。

(☆は冠に”くさかんむり”、”朋”、旁に”りっとう”で構成された文字)


全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 


〒960-8648 福島県福島市柳町4の29
ネットワーク上の著作権(日本新聞協会)
国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) 2001-2004 THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN