「学を曲(ま)げ、世に阿(おもね)る」と読む。学問の教えをねじ曲げ、世俗におもねって人気を得ようとすること。普通「曲学阿世の徒」という言い方で用いる。簡単にいえばえせ学者ということ。
『史記』に学者の長老轅固(えんこ)が公孫弘(こうそんこう)を諭し「正学に務めて以(もっ)て言い、学を曲げて以て世に阿る無(なか)れ」(正しい学問に務め、学問を曲げて世に阿ってはならない)と言ったことが見える。
世俗に阿らず正しい学問をやれ、ということだが、戦後吉田茂首相が、全面講和を主張する南原繁東大総長に向かって浴びせかけたことで、この言葉が一躍有名になった。
当時、政府は交戦国全部ではなく、アメリカなどと早く講和条約を締結しようとしていたのであった。
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