体も命もきわまること。追いつめられてどうにもならない状態をいう。
「体を絶(た)ち命を絶つ」と読む。四字の熟語としての古い用例はない。
「絶体」は、体をそこねること。『荘子(そうじ)』に見える。「意(おもい)を繚(めぐ)らし体を絶ちて此(これ)を争う。亦(ま)た惑(まどい)ならずや」(人々が心をめぐらし、体を損なってまで財貨を争うのは、迷いも甚だしいではないか)とある。
「絶命」は、死ぬことで、古くは『書経(しょきょう)』にも見え、今も普通に使われる語だ。
絶体絶命(ゼツタイゼツメイ)と音がそろって調子もよく、日常使う範囲も広い。「のっぴきならぬ」とか「進退きわまる」などと近い意味で用いられる。
ただ、「絶対絶命」は誤用であるから念のため。
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