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漢字の世界194

 

【2006.9.04】 
井底之蛙(せいていのあ)

見聞の狭い者の喩え

 井戸の中にいるカエル。単に「井蛙(せいあ)」ともいう。見聞の狭い者、世間知らずの喩(たと)え。

 『荘子(そうじ)』に「井蛙は海を語るべからず、虚きょに拘こうせらるればなり」(井戸の中の蛙(かえる)に海のことを話しても仕方がない。蛙が狭い所に拘束されているからだ)とあり、これに続けて「曲士(きょくし)は道を語るべからず、教えに束(つか)ねらるればなり」(見識の低い人には道のことを話しても仕方がない。その人がつまらぬ教えに縛られているからだ)と言う。

 ここでいう「曲士」は、隅の方にいる人、の意。井戸の底にいる蛙と同じだ。

 わが国のことわざにも、「井(い)の中の蛙(かわず) 大海(たいかい)を知らず」という。島国に閉じこもって外を見ないようでは、井底の蛙を笑えない。 


全国漢文教育学会長
石川 忠久 
 


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