一度去って行った者がまた戻ってくること。
たとえば、転勤したり、やめたりしてしばらくたち、また元の職場へ戻ってきたようなときに用いる。
唐の劉禹錫(りゅううしゃく)は左遷されて10年、都へ戻ってくると玄都観(げんとかん)(道教の寺院)の庭に桃が盛大に咲いていた。それからまた左遷され、今度は14年して戻ると、桃を植えた道士(どうし)も亡くなり、桃は一本もなく草が生えていた。そこで劉禹錫は「桃を種(う)えし道士何処(いずこ)にか帰(き)す(どこへ行ったのか)、前度の劉郎(自分のこと)今又(ま)た来たる」と詠(うた)った。
これは六朝の晋(しん)のころ、劉晨(りゅうしん)という男が路(みち)に迷って不思議な桃を食べ、浦島太郎のような体験をして戻ってきたら、200年も経たっていた話を下敷きにした。
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